おさらいHSP① ~あなたはHSPですか?~

皆さんにお知らせしたように、この春HSP-knowledgeable TherapistHSPに精通したセラピスト)】認定されたことを受け、HSP専門カウンセリングを設けました。
この機会にHSPの特徴について、今一度おさらいしてみようと思います。

HSPはどんな人?

HSP(Highly Sensitive Person)は、とても敏感な人、感受性の鋭い人、繊細な人などの意味です。
20年ほど前にアメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が提唱した、『生まれつきとても敏感である』という特定のタイプの方たちを指します。近年は日本でも知られるようになってきました。

とても敏感な気質は、人や他の生き物にも見られる生まれ持った自然な特徴です。
少なからぬ誤解がありますが、障害でも病気でもない、本来はその人の価値ある個性です。
その特徴は際立っています。思い当たる節はあるでしょうか?

  • 普通なら気に留めない出来事や、小さな変化によく気づく
  • ちょっとしたことに、うろたえる
  • 人の気分や考えに容易に気がつく
  • 芸術に造詣が深く、鑑賞したり活動したりする
  • 行動する前に、可能な限り十分に、観察し検討する時間をとる
  • 不快な状況(騒音、人混み、粗悪な照明など)に耐えられない
  • 環境の変化で体調を崩す、、、などなどなど

HSPのあなたは、より細やかに気づき、より敏感に反応する人です。

とても敏感であるとは?

HSPに男女差はなく、人口のおおよそ20%にみられます。人だけでなく他の高等生物にも、やはり同じ割合で存在することが知られています。
『敏感さ』とは感受性の度合いを示す言葉です。とても敏感な気質は、そうであるか⇔あるいはそうでないか、のどちらかに分かれます。強く感じるか、そうでなければ感じないか、のどちらかであり中間はほとんどないと言われています。
とても敏感であるか、そうでないかは、感覚処理のプロセスに違いがあるためと考えられており、HSPの感覚器官(目、耳、鼻など)が優れているわけではありません。

とても敏感に生れつくこと自体は、いのちが必要とする重要な特質です。
他の人なら見過ごしてしまうような物事にも注意が向くため、細やかな心遣いができ、一味違う斬新な発想や先見の明に秀でています。
この特徴は社会に出てから評価されることの方が多いようです。また、いうまでもなく芸術的センスに恵まれています。

同時に、HSPは現実の社会生活で違和感を覚える経験を重ねています。
ものごとの感じ方が、普通の敏感さを持つ多数派とは異なります。感じ方が違えば、そこから導かれる考え方や反応の仕方も違ってきます。
社会の“普通”と、どこかしら何かしら食い違っている感覚は、HSPの多くが共通して経験しているものです。

HSPは悩みやすいの?

細やかに気づき敏感に反応するHSPは、見方を変えれば些細なものごとを無視したくてもできない人です。気づいてしまうのだから仕方がありません。
また、大きな音がしたり雑踏に呑みこまれたり、普通なら大したことがないと考えられる状況をやり過ごすことができません(長じるにつれ動揺をうまく隠せるようにはなります)。容易に刺激過剰になりやすく、心も体も疲れやすい面があります。
すると、HSPでない人には神経過敏に映ったり、虚弱体質と言われたり、気が小さい人と思われたりします。

後日また詳しく触れますが、そんな自分を
「どうして人並みにできないんだろう?」
「なんて自分はダメなんだろう」
と、責めることが増えると思い悩みながら成長することになります。

問題の多い生育期を過ごしたHSPは、不安やうつ、罪悪感(またはこれら全て)に悩まされるケースが多いことが知られています。
それほど問題がなかったとしても、多くのHSPは『自分は“普通”でない』と、そのことがあたかも罪のように感じています。
罪悪感は人生の様々な面で顔を出し『生き辛さ』につながります。
本当は、カウンセリングが大きな役割を果たせる方たちです。HSP自身は「こんなことで大騒ぎをするなんて」と思っているかも知れませんが。

敏感な気質を個性と考えるHSPは、自信をもって社会とかかわりながら、敏感さとうまく付き合うことができます。
とても敏感なHSPだから悩みやすいのではありません。
とても敏感な自分を肯定できない葛藤が、不安や痛みを生み出します。

あなたの子供時代は?

HSPが自分と人生を肯定して生きられるかどうかは、成育環境に大きく依存します。
とても敏感な気質がみせる特徴ある言動を、

  • 個性として好意的に受け入れられて育ったのか
  • 正すべき欠陥のように否定的に受け取られてきたのか
  • そもそも個性など顧みられず無視されてきたのか

この違いは、今のあなたの自己評価に大きな影響を与え続けていると知ってください。

豊かすぎる(と普通には思われている)感受性を、望ましい性質として受け入れられ認められて育つと、HSPはものごとのポジティブな側面により強く反応するようになります。

HSPにはHSPにしか果たせない役割があります。社会の2割に満たない特別な、けれど誤解されてきた存在です。
そろそろ自分本来の価値に気づいて、自分らしい生き方に目を向けても良い頃です。

HSPセルフテスト

最後に「わたしはHSPかもしれない」と考えている方に、アーロン博士の開発したHSPのセルフテストをご紹介します。

HSPセルフテスト

14個以上(男性は12個以上)に「はい」と答えた方はHSPの可能性があります。
もし毎日が息苦しく悩みが尽きないと感じているなら、自分の特性を誤解しているからかも知れません。

まず、とても敏感な自分はどんな人なのか、を知ってください。

アーロン博士が主催するサイト “The Highly Sensitive Person” でも詳しい特徴を紹介しています。日本語のページもありますので、ぜひ一度ご覧になってみることをお勧めします。

HSP専門カウンセリングは完全予約制です。まずはお気軽にお問い合わせください。

ご予約・お問い合わせはこちら

「HSPに精通したセラピスト」に認定されました!

HSPの提唱者アーロン博士は、博士のサイトThe Highly Sensitive Person”に、HSP-knowledgeable TherapistHSPに精通したセラピスト)を紹介しています。
感受性が強く繊細なHSPの方が、安心して的確なセラピーを受けられる心理専門職を見つけられるように、国や地域ごとにセラピストやカウンセラーの名前が掲載されています。
HSPの第一人者であるアーロン博士が体系化されたHSPのためのセラピー理論を学び、試験に合格した専門家のリストです。

今回、このHSP-knowledgeable Therapist(HSPに精通したセラピスト)の認定を受けることができました。アーロン博士のサイトに掲載されています。

日本語サイトはこちら
↓↓↓ ページ下方【海外のリスト】から【日本】をご選択ください
http://hspjk.life.coocan.jp/Seeking-an-HSP-knowledgeable-Therapist.html

HSPの敏感さは外からは理解しにくく、大人のHSPの多くはその時その場の状況にうまく自分を合わせるため、誤解されることが多々あります。
本当は苦しい思いをしていても問題ないと思われていたり、緊張して普通に振る舞えないとただ神経がたかぶり易いだけなのに不安症のように受け取られることもあります。
セラピーの場でこうした誤解が生じてしまうのは不幸なことですし、傷を増やすことになりかねません。

どんなケースであってもセラピストやコーチとしての優れた技量はもちろん基本です。
その上で、HSPの敏感さの表れ方とその特徴、そして神経のたかぶりを示すサインを十分に理解し、他の心理症状ときちんと見分けられることや適切に対応し安心していただけることが必要になります。
そうでない場合、セラピーが続かなくなったり、期待した効果が望めなかったり、更には症状を見誤ったり悪化させたりする危険さえあります。

本来、HSPの方は、そうでない方と同様に、たくさんの優れた資質を持っています。
生き辛さを感じているなら、周囲だけでなくHSPの方ご自身も自分を誤解し否定的に見ていることが大きく影響しています。
心の痛みの多くは、こうしたご自分を責めがちな傾向が関わっています。

生き辛さを感じているHSPの方は、敏感な気質の持つプラスの側面に光が当たっていないだけなのです。傷を癒し、自己肯定感を育んでいけば、気づいていなかった可能性にたくさん出会えます。

もっと楽な気持ちで、安心して、カウンセリングを受けていただきたいとHSP-knowledgeable Therapist(HSPに精通したセラピスト)”専門プログラムを学びました。

晴れて【HSP専門カウンセリング】を正式なメニューに加えました。ますますお力になれるよう頑張りますね。

どうぞ新しいあなたに会いに来てください。

HSP専門カウンセリングご希望の方はこちらへ

ご予約・お問い合わせはこちら

アーロン博士のオリジナルサイトはこちら
↓↓↓ ページ下方【Japan】に掲載されています
https://hsperson.com/therapists/seeking-an-hsp-knowledgeable-therapist/

HSPよくある誤解

慎重さと引っ込み思案と

何度も取り上げているHSPの第一人者、心理学者のアーロン博士は、問題の多い子供時代を過ごしたHSPは憂うつや不安、罪悪感に陥りやすくなると言っています。問題の多い、と言うほどでなくてもHSPの多くは誤解や偏見を潜り抜けて今日まで来ました。

HSPの敏感な反応とよく混同される特徴の一つに、内気な引っ込み思案(恥ずかしがり、気が小さい)があります。 新しい物事に対して消極的、と取られることがよくあります。
本当は行動を起こす前に慎重に検討しているだけなのですが、怖がって行動をためらっているように見られがちです。
確かに、結論を出すまで人より時間は必要ですが、実に多くの場合正しい選択をしています。

慎重さは内気さとイコールではありません。しかし、幼い頃から言われ続けると、自分で自分を内気な小心者と信じるようになることは以前にもお話しした通りです。

大人になっても、慎重な行動を周囲からネガティブに評価されると、HSP本人が誰よりも動揺します。口に出されなかったとしても、そう思われていれば気づいてしまうのがHSPです。例えば「チャレンジ精神が足りないなぁ」のように。
HSPは内側(自分の内部)からの刺激にも敏感ですから、動揺する自分自身にも反応し、ますます動揺します。結果、周りが考えるよりずっと強く緊張し、平静な行動が取れなくなってしまうこともままあります。

HSPの慎重な行動の対極にあるのが、危険を顧みず危地に飛び込む切り込み隊長です。
成功すれば英雄、失敗すれば無鉄砲、どちらにせよ強い印象を残します。誰だって憧れますよね?
さて、成功の確率はどのくらいでしょう?

多くの人は動きながら考え、正解を探します。
HSPはまず考え、一回で正解を出そうとします。

事前にリスクや可能性を検討する慎重派と、まず動いてみる行動派。
タイプが異なるだけなのに、なぜか社会の評価は英雄偏重のような気がしませんか?
そもそも、みんなで飛び込んだら全滅してしまうかも知れません。
同じように、みんなで慎重に考え込んでいたら、やはり全滅しそうです。

よく耳にするようになった言葉「ダイバーシティ(多様性)」は生き物の生存戦略の要とも言えるものです。様々に異なるタイプがいることで、全体として環境の変化や危機的な状況に対応しようとします。
人も本当に色々です。人間と言う枠で見たならば、それぞれ違う役割を持っているだけのことかも知れません。

いきなりキレるHSP⁉

意外に聞こえるかもしれませんが、HSPは突然人が変わったように感情的になることがあります。
一見、衝動的で理不尽な反応、いわゆるキレるため、癇癪持ちのように思われることもあります。もちろん本人も自分のこの傾向に気づいています。

そして、ここでも大きな誤解が生まれます。

HSPが時折見せる極端で衝動的な言動は、極度の神経の高ぶりから来るものです。理性などもちろん働かず考える余裕も全くありません。
普段は穏やかで文句を言うこともない人が、急に怒り出したり泣きそうになったりするため、周りは(最初は)ショックを受けます。
怒りのような強い感情に任せた衝動性とは異なる反応なのですが、違いは外からは見分けがつきません。

HSPの神経を高ぶらせる刺激は多岐にわたりますし、意識していないものもたくさんあります。本当のところはHSP本人だって分かっていないことがほとんどです。
実はお腹が空き過ぎていたという可能性だって、冗談ではなくあります。誰でも疲れて空腹であれば上機嫌ではいられません。より強く反応するのがHSPですから、ちょっと不機嫌ではすまなくなるのですね。

HSP自身は、もともと激しい言動を好まず穏やかな印象があります。
自分自身の衝動性に一番ショックを受けているのは他ならぬ当人です。ここで傷つくのも、敏感なHSPではの自然な流れとも言えます。後から振り返り、罪悪感を募らせ、自分を責めることになります。
その時の周囲の反応が否定的なものであるほど自責の思いは強くなり、いつまでも悩み続けます。HSPは自分の思いや想いにも敏感に反応するため、負の想念のスパイラルに陥りやすい面はあります。
そして「いつまでもくよくよしないで」と言われれば、そう出来ない自分をさらに責めることになりかねません。親切で言ってくれているのが分かるだけに、追い打ちをかけられてしまいます。

逆にフリーズしてしまうこともあります。頭が真っ白の状態です。何も考えられない点では同じですが、こちらは一切の情動を麻痺させ停止しています。

キレるのもフリーズするのも、頻繁に起こるようになると本人が気に病み、何とかしようと専門家を訪ねることもあります。
この時、逸脱した行動が目立つと、パーソナリティー障害や発達障害と誤解されるケースが出てきます。一部に重複する症状があるからなのですが、こうした障害は敏感な気質とは別の原因を持つものです。
トラウマを疑われることはよくあります。トラウマには違いないのですが、HSPを理解していないと背後に重大な体験が隠れているはずと考えがちです。HSPを知っていれば、PTSDなど心的外傷の原因となるレベルの出来事でなくても酷く傷つくことがあると理解できるはずなのですが。
HSPはまだ心理学、精神医学で広く認められた概念ではないため仕方のないことではあります。

ネガティブな話ばかりが続いてしまいました。ごめんなさい。

ここで触れた特徴は、HSPの誠実で良心的であったり、クリエイティブであったり、理解や洞察に優れたりする面の裏返しでもあります。
どちらもあなたの一面、セットであり、コインの表裏、切り離すことのできないものです。

大切なことを一つ。大人になったあなたはコインの表と裏を自分で選べます。

運任せにする必要なんてありません。
【HSPが楽に生きる“コツ”】でもお話ししたように、どんな性質も表れ方によって長所になり、短所になります。長所はどんどん伸ばして、短所とは上手につき合えたら素敵ですね。

まず、一にも二にも、とても敏感な自分自身を受け入れてあげてください。
【HSPが楽に生きる“コツ”】も参考にしてくださいね。

ご予約・お問い合わせはこちら
完全予約制です。まずはお気軽にお問い合わせください。

HSPの社会生活

明けましておめでとうございます。
新しい年がより多くの新しい喜びをもたらすものであるようお祈りいたします。

一年の初めに抱負や何らかの誓いをたてられた方も多いのではないでしょうか。
HSPのあなたは何を願われましたか?

今年こそ会議で堂々と発言できるようになる?
体を鍛えて持久力をつけたい?
それとも、周囲に煩わされない穏やかな毎日を?

とても敏感なHSPだからと言って、望みや願いを制限する必要なんてどこにもありません。
HSPであろうとそうでなかろうと、誰だって自分が心から求めることを実現できたら最高です。
そして、HSPのあなたは「自分が心から求めること」に少しばかり敏感です。

けれど、今までの人生でその思いにフタをしてきたかも知れません。
そのフタを開けて、自分が何をしたいのかを知る第一歩は、ありのままの自分を知ることです。
前回【HSPが楽に生きる“コツ”】までにお話しした、

① HSPであるわたしを知る
② HSPであるわたしを受け入れる

作業を続けていくためにも、

③ HSPであるわたしとの付き合い方を見つける

ことは、とても重要です。

①で自分が苦手とする刺激(物事や状況)が分かってきたら、それらを上手にマネジメントすることが必要になります。
敏感なわたしが対応可能なレベルに刺激を抑えるのです。

少し勇気を出して、自分で変えられるものは変えて良いのです。
誰かが気を悪くするんじゃないか、変に思われないだろうか、と気になりますか?
そうしたら、リフレーミングの出番です。
その思いを味わって(じっくり観察して)、「一体この思いは何を求めているのだろう?」と自分に問いかけてください。
そうして、もっと楽にその求めるものが得られる方法を見つけましょう。

残念ながら、自分ではどうすることも出来ないケースももちろんあります。特に人間関係や仕事がらみでは思うに任せないことも多いものです。
それならば、その状況や物事、人物を出来る限り回避します。

え、回避!?

はい、逃げることは立派な戦略です。
実際、危険が身に迫った時に生き物は、逃げるのか戦うのか、より有利な方を選択します。
あえて直面する必要がないなら、無理にリスクを取ることはありません。
迷う時は、受けるダメージと回避した場合の損失とを天秤にかけて、現実的な選択をすれば良いのです。
これも初めは勇気のいることですが、どうか練習してみてください。

そして、どうしても避けて通れない時には、後から一人静かに心身の疲れを取る時間を必ず設けましょう。
一人になることはとても大切です。それぞれの事情から、一人の時間を持つことが難しい方はいらっしゃると思います。特に女性には多いでしょう。とにかく、5分でも10分でも構いません。何とかひねり出す工夫をしてみてください。
疲れた自分を癒してあげることは、リフレッシュして新たな活力を得るために欠かせません。
責任感が強い頑張り屋さんには特に必要です。
より良い仕事(職業上のものだけではありません)をするためにも自分自身のケアを忘れないで欲しいのです。

周囲の影響を受けやすいHSPにとって、一人になる時間を持つことはストレス耐性を高める上でも重要です。
ストレス耐性とは、文字通りストレスに抵抗する力を指します。
敏感でストレスを受けやすかったとしても、ストレスへの抵抗力を高めることで影響を受けにくくなります。

秘訣は、規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度に体を動かす、と言った基本的な生活習慣を整えることにつきます。

え、当たり前すぎ!?

はい、本当に。
基本的な生活習慣が整うとは、体が健康になると言うだけでなく、オンとオフが上手に切り替えられていると言うことです。
HSPに限らず現代人の生活は、神経がたかぶった常時“オン”になりがちです。
オンの状態ばかり続けば、いずれ心身の不調を招いてしまいます。
意識してオン・オフを切り替える習慣をぜひ身につけてください。
“オフ”のスイッチを入れるリラクセーション法には様々ありますが、簡単で誰にでも出来るものに「呼吸法」があります。
基本は腹式呼吸です。ふーっと口をすぼめて息を吐き、吐き切ったら倍くらいの時間をかけて鼻から息を吸う、これを繰り返します。
吐く時はお腹が凹み、吸う時は膨らむイメージをしながら1分以上続けます。
深い呼吸を意識的に行うことで、オン・オフを司る自律神経に効果的に働きかけることができます。
慣れてきたら、息(吐く息、吸う息)に意識を集中すると瞑想のような効果が得られ、自身の内面に敏感なHSPに深い安らぎをもたらしてくれます。

また、くよくよと考え込んだり、気分がモヤモヤするような時には、リラクセーションより体を使って発散する方が効果的です。
運動ばかりとは限りません。悲しい映画を見て思いっきり泣く、カラオケで好きな曲を熱唱するなど、スカッとする自分なりのストレス解消法をたくさん見つけてください。
音楽から影響を受けるHSPは多いようです。気分を落ち着かせてくれる、元気を出してくれるなど、その時の気分に合う自分だけの好みの楽曲を用意しておくこともいいですね。

一度に全部に手を付ける必要はありません。
HSPのあなたには直観という贈り物があります。
ぜひ、ご自分が「これ!」と感じたものから始めてみてください。

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご予約・お問い合わせはこちら

HSPが楽に生きる“コツ”

とても敏感な人(HSP)は人口の2割ほどにみられます。珍しいと言うほど少数派ではありませんが、当たり前と言えるほど多くはありません。
敏感な気質は生まれつきのものであり、他の多くの動物にも存在することが知られています。
敏感さそのものは目の色や髪の色と同じ、持って生まれた自然な特徴の一つに過ぎないのです。進化の過程で取捨選択され残った、つまり生物にとって重要かつ有用な貴重な特徴です。

とても敏感ですから、そうでない人とは感じ方が異なり、それは考え方や振る舞い方に反映されます。
その違いは「普通と違う」と受け取られ、誤解されることの方が多いのが現状でしょう。
HSPとそうでない人の人口比(おおよそ1:4)を考えれば、仕方のないことかも知れません。

けれど、HSP本人が自分を誤解する必要は全くありません
これまで、あなたの本当の価値を知る機会がなかっただけなのですから。

HSPの自然な反応を、周囲に理解してもらえず否定され続けると、本人も「自分は変だ、おかしい」と信じるようになります。
特に子供の頃に、「臆病だ」「弱虫だ」「そんな意気地なしでどうする!」と否定的な評価ばかりされたり、言葉にされなくても相手が「扱いにくい子」と考えたりしていれば、HSPの子供はそれを敏感に感じ取り、どんどん自信を無くしていきます。
自分は劣っていると感じ、敏感さは克服すべき欠点になり、それが出来ないとさらに自信を無くします。
そして、自分の存在に価値を見出せなくなってしまいます。
HSPに限らず、幼少期に認められることが少ないと自己肯定感が育ち難くなります。
自己肯定感の低さは生き辛さに直結します。程度の差こそあれ、生き辛さを抱えるHSPが多いことは【HSPは生き辛い⁉】にお話しした通りです。

実際、HSPには優れた面がたくさんあります。
理解力や洞察力に富み、チャンスやリスクを察知し、深く思索し芸術を好む豊かな内面を持っています。

HSPの敏感な気質は素材にすぎません。それをどう調理して、どう盛り付けるかは、あなた次第です。
そして、そうすることのできる優れた能力をHSPのあなたは持っています。

あなたがHSPで、もし生き辛さを感じているとしても、今この時から自分らしい生き方は始められます。
そのために、

① HSPであるわたしを知る
② HSPであるわたしを受け入れる
③ HSPであるわたしとの付き合い方を見つける

作業を始めてみませんか?
他人より敏感なありのままの自分らしく、上手に社会生活を送る“コツ”を身につける作業です。
あなただけの傾向と対策を知り「自分トリセツ」を作る、と言い換えてもいいですね。

では、順を追ってひも解いていきましょう。

① HSPであるわたしを知る
とても敏感である、と言っても、何に対してどの程度に敏感であるかはHSPであっても同じではありません。
あなたは、あなただけの敏感さを持っています。それを詳らかに知りましょう。
動揺したり、くよくよと考え込んだり、何故か気分が悪くなったり、理由もなく体調を崩したり、敏感さがネガティブに働いた時に、何があったのかを観察してみてください。もちろん、後からでも構いません。
そうすることで自分が強く反応する刺激が何であるのかが、だんだんと分かってきます。
刺激は嫌な物事ばかりとは限りません。楽しみや喜びをもたらす、例えば友人との集まり、などのこともあります。
これは、続くステップの基礎となる大切な作業です。
HSPについて知識を深めることは、自身を知る大きな助けになります。HSPの第一人者アーロン博士のサイト“The Highly Sensitive Personは「HSPあるある」の宝庫です。
翻訳されたページもありますので、ご紹介します。
http://hspjk.life.coocan.jp/

② HSPであるわたしを受け入れる
HSPの「とても敏感な気質」を「自分の個性の一つ」と、ありのままに受け入れられると、生き辛さは驚くほど楽になります。

あなたは今日の自分になるまで、HSPの本来の姿を知らず自分自身を不当に評価して来たことに、どうぞ気づいてください。

今も敏感さと弱さとを混同しているかも知れません。
自分を「ダメだ」「もっとしっかりしなきゃ」「こんなことも出来ないなんて」と叱りつけたくなるかも知れません。
そんな時は、「とても敏感なHSPのわたし」をキーワードに、そこで起きている出来事をリフレーミングしてみましょう。
新しい視点で見つめ直すことで、敏感さへの先入観や偏見が解消され、失ってしまった自信が戻ってきます。
その場でなくても後から振り返ればよいのです。気長にコツコツと繰り返してみてください。

少し長くなってしまいました。
③ HSPであるわたしとの付き合い方を見つける、は次回に譲りますね。
ポイントは、刺激を上手にコントロールすることとストレス耐性を高めること、になります!

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご予約・お問い合わせはこちら

HSPは生き辛い⁉

私たちは一人一人、唯一の個性を持った存在です。
HSPの『とても敏感な気質』が生まれつきのものだからと言って、それはその人の持つ特徴の一部にすぎません。
もちろん一括りにできるはずはありません。
けれど、HSPの多くに共通する特徴を知ることは、敏感な自分の特徴を知る手掛かりとなります。

たとえば、『HSP「とても敏感な人」』で触れた、HSPの提唱者アーロン博士は、こんな特徴をあげています。

・まぶしい光や、きつい臭い、大きな音にうろたえる
・短い時間内に、やるべきことが幾つもあると、普段通りにできない
・バイオレンスやホラー映画、TVの暴力シーンは見ないようにしている
・忙しい日が続くと、どこか静かで一人になれる場所へ逃げたくなる
・不愉快になったり、動揺したりする状況は、できるだけ避けたい
・デリケートで繊細な、香り、味、音楽や芸術作品がわかり、心惹かれる
・豊かで複雑な内面を持っていると思う

https://hsperson.com/より引用

これらに思い当たる節があるなら、あなたはHSPかも知れません。
そして、「そんな自分は心の弱い人間なのではないか?」と思っているなら、そう感じているのは決してあなただけではありません。
あなたと同じように、自分を否定的に捉えているHSPは、本当に大勢います。
些細なことを気にし過ぎるとか、気弱だとか、意気地なしとか、他の人たちと比べて劣った存在と感じているかも知れません。

【HSP「とても敏感な人」】でも触れましたが、社会だけでなく多くのHSP自身が敏感な自分を誤解しています。

HSPが、小さな物事に過剰に反応したり、見られていると緊張したり、初対面の人と気軽に話したりできないのは、気が小さいからでも、臆病だからでも、自意識過剰だからでもありません。
多くの場合、刺激に対して他人より敏感に反応しているだけなのです。
HSPであれば当たり前の反応をしているだけなのに、それを神経質だとか消極的だとか周囲から評価され続けると、本人も自分がおかしいのだと思い込むようになります。
子供のころに親御さんや先生から「小さなことを気にしないで」「しっかりしなさい」と言われる度に、「おかしな自分を克服しなければ」と思いを強くしたことでしょう。

HSPの情報システムは、入ってきた刺激をより深い部分まで処理すると考えれられています(現在、研究が進められているところです)。他の人たちは気にも留めない微細な事柄まで気づき反応します。
同じ特徴は他の多くの高等生物にも見つかっていることから、生物にとって重要な気質の一つであると推測されています。
注意深く、リスクやチャンスにいち早く気づき、注意を喚起する個体の存在は高等生物の生き残り戦略の賜物、価値ある特徴なのです。

残念なことですが、現代の社会ではHSPの価値が見え難くなっています。
社会が理想とするのは、タフで、責任感があり、仕事ができて、社交的な、快活で人をそらさぬ魅力のある、と言ったタイプでしょうか。
あなたもそんな風になりたい、ならなくては、と自分を叱咤激励してきませんでしたか?

HSPは、特に努力しなくとも、責任感が強く(強すぎるくらいです)有能です。昔のキャッチコピーにあった24時間働くタフさや、どんな時も前向きな明るさは苦手な方でしょう。

念のためお断りしておきますが、長時間労働を続けると、敏感であるなしに関係なく、体や心を壊し命さえ脅かす危険があります。眠い目をこすってぼんやりした頭で働き続けるより、しっかり休息をとってすっきりリフレッシュした頭と体で仕事をする方がずっと効率的です。良いアイデアも閃こうというものです。
心身が疲弊すると人は理性的な判断ができなくなります。異常事態であることを認識できなくなります。そうなる前に、どうか立ち止まってほしいと願わずにいられません。

本題に戻りましょう。HSPは、他の人が見落とすような情報までキャッチするため、人より多くを感じ取り、結果、多くを考えます。
物事を隅々まで把握し、分析し、検討して、最適な判断をすることに長けています。
この作業を、ほぼ無意識的に行っています。
ですから、物事の本質を労せずして見抜くことができます。
どうですか?なかなかのものでしょう?

刺激には外からの刺激だけでなく、中からの刺激もあります。
HSPは五感を通して入ってくる、光や、音、匂い、味、触感などの直接的な情報に加えて、その場の雰囲気や、そこにいる人の気分や感情も感じ取ります。
また、体の内側からの、空腹や、疲労、痛み、さらに空想や想念のような脳内イメージにも敏感に反応します。
そのため、場の雰囲気にのまれたり、他人の気分に左右されたり、くよくよと考えすぎたりし易い面があります。

刺激を受けることはストレスを受けることですから*、同じ環境なら、HSPはそうでない人たちよりずっと多くのストレスを受けています(*ストレスの原因は精神的なものだけでなく、怪我や病気、暑さ寒さなど身体に受ける刺激も含まれます)。
神経がたかぶり易く、緊張したり、不安になったり、疲れ易かったりするのは、自然なことです。

あなたの得意分野は、今の社会でもてはやされるところとは少し違っているかも知れません。
場を賑わすことや、疲れ知らずの熱血漢になることや、カリスマ的なリーダーになることは他の人に分があるかも知れません。
それはそれで必然的なことです。
なぜなら、あなたは一歩先を行く人なのですから。
HSPのあなたは、物事の本質をやすやすと見抜きます。意識していようといまいと先を見通し、何が重要であるかを本能的に知る人です。

豊かな感受性の持ち主であるHSPは、アーロン博士が言うように、芸術を理解し、微妙な味わいや香りを楽しむことができます。豊かで陰影に富む内面を持つことはHSPの優れた一面です。
クリエイティブな分野で活躍するには欠かせない、鋭敏な神経を持っています。
「鋭敏な神経の持ち主」と聞いたら、どんな印象でしょう?
シャープな切れ者?、斬新な発想の持ち主?、洞察力のある人?
プラスのイメージの方が大きくなりませんか?

あなたの心に浮かんだ、そのイメージをどうぞ大切にしてください。
あなたが、本来そうなることのできる姿です。
声の大きい目立つ誰かの期待に応える必要なんてないのです。
HSPのあなたの前には、もっと特別で豊かで深みのある人生の扉が開かれるのを待っています。

HSPが自信を無くし生き辛く感じているのは、生まれ持った敏感さを、弱さや欠点と思い込んだところから始まっています。他と比べて足りない部分ばかりに焦点を当てず、優れた面にも目を向け知っていきましょう。
そのままの自分を偏りなく見られたら、本来の価値を理解できるようになります。そこからあなたらしい生き方が始まります。

敏感な気質の長所と短所を知って、バランスを取りながら自分らしさを表現するにはコツがあります。
次回は、敏感さとうまく付き合うコツについてお話したいと思います。

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご予約・お問い合わせはこちら

はなしを、聞く?聴く?

はなしを「きく」と言うときには、二通りの漢字があります。

「聞く」は耳から音が入ってくること、
「聴く」は耳を傾けて聞くことです。

どちらにも「耳」が使われていますが、「聞き方」は違います。

聞く時は、ことさら注意を向けず、その場の音を耳から受け取っています。
聴く時は、意識的に注意を向けて、その場の音に耳をとめます。

あなたが話をしている時に、相手がスマホから目を上げず「うん、うん」と気のない相槌を打っていたら、その人はあなたの話を聞いています。
あなたが話をしている時に、相手があなたをしっかり見て「うん、うん」と気持ちを込めて相槌を打っていたら、その人はあなたの話を聴いています。

話には、聞き方があります。

誰かが、あなたに真剣に話をしてくれているなら、身を入れて、心にとめて聞くことが大切です。
耳で聞くことができても、「心」が入らなければ、聴くことはできません。

そうした聴き方に「傾聴」があります。
耳と心を傾けて、聴くことに徹します。
そのうえで、相手を尊重し、ありのままに受け入れよう、分かろう、とする聴き方です。
傾聴は、相手が話し辛い話をする時に、心を開く魔法の鍵になります。

聴くことに徹すると言っても、何も口を挟まないと言うわけではありません。
相槌を打ったり、分かったことは分かったと伝えたり、分からないことは質問したりします。
また、言葉の奥にある意味や感情、相手の表情や態度などにも注意を払い、真意を理解しようと努めます。
そうすることで、「ちゃんと聞いてくれている、分かろうとしてくれている」と、本音を話そうという気持ちになります。

ここまでは、練習を積めばそれほど難しくなく出来るようになります。

それでは、ありのままに受け入れよう、ありのままに理解しよう、とする姿勢はどうでしょうか?
実は、これは、本当に多くの人が苦手としています。

ありのままに聴くとは、先入観を持たずにいる、つまり自分の価値観から全く自由でいる、と言うことです。

自分なりの人生観を保ったまま聴いていると、どうしても相手を正したくなります。
良かれと思って、忠告したり、説教したりすることになります。
そうすると、相手は「この人は分かってくれない」と感じて心を閉ざしてしまい、せっかくの助言も耳に入りません。

自分の価値観で相手を判断することは、相手の価値観を否定することに他なりません。
誰でも、否定されるよりは受け入れられる方が、嬉しいに決まっています。

大切な人であるほど、何とかしてあげたいと一生懸命になります。
今度は、一拍おいて、口を出したくなるのを堪えてみませんか?
反応が変わるかもしれませんよ!?

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご予約・お問い合わせはこちら

HSP「とても敏感な人」

“HSP”という言葉を耳にしたことがある方は、増えているのではないでしょうか?
ご自身が当てはまるのではないかと、感じている方もいらっしゃるでしょう。

HSPは、英語の”Highly Sensitive Person”の頭文字をとったものです。
「高い感受性を持った人」のことですが、平たく言えば「とても敏感な人」となります。
心理や精神医学の用語ではありません。1996年にアメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が出版した同タイトルの本 “The Highly Sensitive Person” に由来します。

それでは、「とても敏感な人」と聞いた時に、どんなイメージが浮かびますか?

細やかな心づかいのできる繊細な人?
細かなことにこだわる神経質な人?

人によって様々な異なるイメージを持っていると思います。
例えば、先の本の邦題は「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ。」です。このタイトルにどんな印象を持ちますか?

著書の中でアーロン博士は、『私たちの中には通常より敏感に生まれついた人たちがおり、少数派であるが故に誤解されている』と初めて明言しました。
現代の社会では敏感な人本来の長所が生かされ難く、短所ばかりが取り上げられ、敏感さはあたかも克服すべき欠点であるかのように扱われている、と言っています。
あなたが最初に抱いた「とても敏感な人像」がマイナスのイメージなら、それはいつの間にか身についた誤解かもしれません。どうやら社会には「敏感な人」を誤解し偏見を持つ人が少なくないようです。

「とても敏感な人」は、人口の20%程度にみられます。少数派ではあるけれど、それほど少数派と言う訳ではないのです。安心してください。

「敏感さ」は刺激に対する感度(反応の度合い)いわゆる感受性を表す言葉です。
良いや悪い、優れているや劣っている、など評価とは本来関係がありません。
「敏感であること」は、表れ方によって良くも悪くもなる、その人の特徴の一つに過ぎないということです。
それでも、「敏感であること」にマイナスのイメージを持つ人が多いのは、残念なことですが事実のようです。

誰よりも、「とても敏感な人」本人が、自分自身の特徴を弱さや欠点と誤解して自信を無くしてしまっています。

人間だけでなく、他の動物にも、やはり普通より敏感な個体は一定の割合で生まれます。
とても敏感な野生生物を考えてみましょう。
普通より敏感であれば、周囲のちょっとした変化に気づくことができ、危険をいち早く察知したり、獲物の気配を遠くから捉えたりすることができます。
欠点どころか、むしろ生存に有利な特徴と言えますね。

また、誰でも、とても敏感になることはあります。
例えば、人里離れた山奥に一ヶ月ほどこもって都会に戻れば、その喧騒に圧倒され初めは目を白黒させるでしょう。
大きな事故や災害を経験すれば、わずかな兆候でもビクッとするようになります。

敏感であるのは、自然であり必要なことなのです。

とても敏感な人の多くは、これまでこの特徴を知る機会も、正当に評価する機会もなく、自信を持てずにいる状態です。
ぜひ、とても敏感であるとはどう言うことなのか、そしてそのことが自分にどう影響してきたのかを知ってください。

敏感であることは、あなただけの貴重なリソース(資産)になります

何回かに分けて、HSPの特徴と社会や育った環境からの影響についてお話しようと思います。
とても敏感なHSPの方が、ご自分を見直すきっかけとなればと切に願います。

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご予約・お問い合わせはこちら

トラウマとヒプノセラピー

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状だけが、トラウマのもたらす影響ではありません。

命の危険を感じたり、どうすることもできずただ圧倒されたりと言った体験でなくても、強いショックを受けてトラウマとなることがあります。
心に傷を受けるかどうかは、出来事が世間一般の基準で重大であるかどうかでなく、その人がどれだけショックを受けたかによります。
人の心(意識、精神)にとっては、強いショックを受けた出来事が重大な出来事です。

強迫的な観念や、極度の緊張、強い不安などの根本には、多くの場合、心に傷を残す辛い経験が認められます。
二極思考や激しい感情に振り回される人や、いつも似たタイプのダメな異性ばかり選んでしまう人も同じような傾向があります。
心に傷を残した出来事のほとんどは幼少期に起きているため、ご本人も覚えていません。
または、あまりに辛く苦しすぎて無かったことにしてしまっていることもあります。

この時の痛みは無意識下にずっと留まったまま、何かのきっかけで意識に上って来ては、先に挙げたような、望まない反応を引き起こすことになります。
この「何かのきっかけ」を「トリガー」と呼び、その時の情景の断片であることがほとんどです。
場所であったり、乗り物や建物、色や音、また匂いであったり、状況や言葉のこともあり様々です。

幼い子供は無力な存在です。周りの大人に守ってもらわなければ生きていけません。
親や周りの大人の何気ない一言に、深く傷つくことがあります。
大人には大した出来事と映らなくても、幼い子供にとっては圧倒的で無力感さえ覚えるような経験になり得ます。
その強いショックが癒えずにいるとトラウマとなって、成長した後まで影響を受け続けます。

ですから、大人になった今の自分が、もう一度小さい子供の自分のトラウマ体験を咀嚼し直すことが必要です。

トラウマからの回復に用いられる、とても効果のあるセラピーの一つに、暴露療法(エクスポージャー療法)があります。
原因となった出来事を繰り返し言葉にして表現することで、過去の記憶として定着させ、現在への影響を解消するセラピーです。
辛い経験を何度も思い出すことから、続けられなくなってしまうことがあります。

思い出すことへの怖れが強い場合にヒプノセラピーを行うと、自分は離れた安全な場所にいながら、トラウマとなった出来事を体験することができます。
その場の情景や感情はちゃんと感じながら、痛みは受けずにいられるのです。

そうして、子供の心で体験しながら、大人の心でトラウマ体験を解釈し直してあげます。
ここで得る新しい受け取り方が「学び」や「気づき」と呼ばれるものです。
今はもう安全であること、安心していいことを子供の心が納得すると、傷が癒され、深い感動を味わうことも珍しくありません。

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

【ご予約・お問い合わせはこちら】

トラウマとセラピー

前回お話ししたように、心が強いショックを受けた後に生じるストレス障害には特徴的な症状があります。

・その時の情景が何度もよみがえる-フラッシュバック
・体験を思い出させたり関係がある場所や状況を避けようとする-回避
・不眠や悪夢、強い不安など精神が不安定になる-過覚醒(極度の緊張状態が続くこと)

圧倒的で強いストレスとなる出来事を体験すると、人は自身を守るために一時的に感覚や感情を麻痺させます。
衝撃に心(精神)を破壊されないため、またパニックのような心の暴走を防ぎ命を守る行動を最優先するための仕組みです。
この自然な反応の結果として、フラッシュバック、回避、過覚醒のような症状が表れると「急性ストレス障害(ASD)」と呼ばれます。
苦痛をもたらす症状ではありますが、通常は一ヶ月以内に回復する一過性の障害です。
落ち着きや安定を取り戻す過程で、徐々に心の痛みに向き合って行けるようになり、辛さもいずれ和らぎます。
「恐怖や悲しみが過ぎ去った過去のものであること」「今は安全であること」を実感する、つまり、心から納得できることが回復の鍵になります。

心の痛みと向き合うプロセスはとても大切です。痛みから目をそらし続けると回復が妨げられ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)へ移行しかねません。
そのためには、安心や安全を感じられる環境と、心の痛みをその人なりのペースで消化する時間が必要です。
この時期に、周囲に受け入れられ守られていると感じることは大きな助けになります。
辛さを分かってもらえたり、分かち合ったりする、グループワークや傾聴のサポートが回復を助けることは、よく知られています。

少し話がそれますが、「傾聴」は専門家だけでなく誰にでもでき、しかも飛び切り効果のある、とっておきの心理技法です。
方法はただ一つ、相手の話をあるがままに聴くことだけ。
一切の評価や判断をせずに、ただ話されるままに耳を傾ける技術です。実は、これは言うほど簡単なことではないのですが、それはまたの機会にお話しいたしますね。

話を戻しましょう。
通常は一定の期間を置けば回復する急性ストレス障害の症状が、持続しているケースを「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と言います。

PTSDと診断された場合、治療にお薬を用いることがあります。症状を軽減させたり、併発することの多い抑うつを改善したりすることで回復を促します。
PTSDの根っこには未消化のトラウマ体験があり、心理セラピー(心理療法、精神療法)の重要性が認められています。
トラウマ体験から時間がたった後まで持続する強い苦痛を、先にも書いた「過ぎ去った過去のもの」と納得する作業をやり直すのです(※他の理論に基づく有効なセラピーもあります)。

PTSDと診断されるのは、生命を脅かすような強いな恐怖や無力感を感じる戦慄的な体験をした場合です。一般には、自然災害や事故、事件や犯罪などを含みます。
そこまで強烈な体験でなかったとしても、その人が強いショックを受けることはあります。そうした体験もまた、トラウマとなり長く影響を残すことがあります。

完全予約制のカウンセリングルームです。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

【ご予約・お問い合わせはこちら】