トラウマとセラピー

前回お話ししたように、心が強いショックを受けた後に生じるストレス障害には特徴的な症状があります。

・その時の情景が何度もよみがえる-フラッシュバック
・体験を思い出させたり関係がある場所や状況を避けようとする-回避
・不眠や悪夢、強い不安など精神が不安定になる-過覚醒(極度の緊張状態が続くこと)

圧倒的で強いストレスとなる出来事を体験すると、人は自身を守るために一時的に感覚や感情を麻痺させます。
衝撃に心(精神)を破壊されないため、またパニックのような心の暴走を防ぎ命を守る行動を最優先するための仕組みです。
この自然な反応の結果として、フラッシュバック、回避、過覚醒のような症状が表れると「急性ストレス障害(ASD)」と呼ばれます。
苦痛をもたらす症状ではありますが、通常は一ヶ月以内に回復する一過性の障害です。
落ち着きや安定を取り戻す過程で、徐々に心の痛みに向き合って行けるようになり、辛さもいずれ和らぎます。
「恐怖や悲しみが過ぎ去った過去のものであること」「今は安全であること」を実感する、つまり、心から納得できることが回復の鍵になります。

心の痛みと向き合うプロセスはとても大切です。痛みから目をそらし続けると回復が妨げられ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)へ移行しかねません。
そのためには、安心や安全を感じられる環境と、心の痛みをその人なりのペースで消化する時間が必要です。
この時期に、周囲に受け入れられ守られていると感じることは大きな助けになります。
辛さを分かってもらえたり、分かち合ったりする、グループワークや傾聴のサポートが回復を助けることは、よく知られています。

少し話がそれますが、「傾聴」は専門家だけでなく誰にでもでき、しかも飛び切り効果のある、とっておきの心理技法です。
方法はただ一つ、相手の話をあるがままに聴くことだけ。
一切の評価や判断をせずに、ただ話されるままに耳を傾ける技術です。実は、これは言うほど簡単なことではないのですが、それはまたの機会にお話しいたしますね。

話を戻しましょう。
通常は一定の期間を置けば回復する急性ストレス障害の症状が、持続しているケースを「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と言います。

PTSDと診断された場合、治療にお薬を用いることがあります。症状を軽減させたり、併発することの多い抑うつを改善したりすることで回復を促します。
PTSDの根っこには未消化のトラウマ体験があり、心理セラピー(心理療法、精神療法)の重要性が認められています。
トラウマ体験から時間がたった後まで持続する強い苦痛を、先にも書いた「過ぎ去った過去のもの」と納得する作業をやり直すのです(※他の理論に基づく有効なセラピーもあります)。

PTSDと診断されるのは、生命を脅かすような強いな恐怖や無力感を感じる戦慄的な体験をした場合です。一般には、自然災害や事故、事件や犯罪などを含みます。
そこまで強烈な体験でなかったとしても、その人が強いショックを受けることはあります。そうした体験もまた、トラウマとなり長く影響を残すことがあります。

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トラウマのうそ本当

「トラウマ(心的外傷)」はもともと心理用語ですが、今では普通に使われています。

身体と同じように、心も衝撃を受ければ傷つきます。
そして、身体と同じように、自分でその傷を癒すことができます。

生き物には、生まれ持った自然治癒力があります。小さな傷を作ったからと言って、通常は病院に行くことはありません。清潔に保護しておけばいつの間にか治っているものです。
同じように、ショックを受けて心が一時的に傷ついても、徐々に辛さは薄れ、やがて思い出すことも少なくなります。

大きな怪我をすれば、治癒までにかかる時間は長くなります。痛みや傷の程度によって日常生活にも影響が出ます。
心も、強いショックを受けて大きく傷つくと、すぐには回復できなくなります。同時に、日常生活に影響するような症状が出てくることが普通です。
特徴的な症状に、その時の情景が何度もよみがえるフラッシュバックや、体験を想起させる場所や状況を避けようとする回避、不眠や強い不安をもたらす極度の緊張(過覚醒)、があります。
この状態は「急性ストレス障害(ASD)」と呼ばれ、むしろ自然な反応です。また、強いショックの原因となった体験を「トラウマ体験」と呼びます。

急性ストレス障害は苦痛を伴う辛い症状ですが、急性とは一過性ということです。辛い時期を乗り越えれば、一ヶ月以内に回復します。

怪我をして出血がひどかったり、骨が折れていたりしたら、処置をして安静にしていなければ治りません。
心の傷にも同じことが言えます。ストレス障害からの回復には、安心できる環境と体験を自分なりに消化する時間が必要になります。

一ヶ月を過ぎても症状が治まらないことがあります。これが「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」です。本来なら自然に回復するはずが、そう出来ずに苦痛が継続している状態です。

さて、少し記憶についてお話させてください。
何か出来事があると、人はその体験毎にカテゴリーと重要度を決定し、記憶として保存します。
記憶の重要度は、その時の感情の種類と強さで決まります。人によって感じ方は異なり、出来事の一般的な重要度ではなく、その人がどれだけショックを受けたか、が判断の基準になります。
ところが、ショックが大きすぎて、いわば感情の針が振り切れたような状態になると、その体験をうまく記憶に処理できなくなります。この反応自体は「防衛」という自然な作用です。
出来事の細部やその時の感情など、その場での様々な情報は、意味を持つ体験として統一されずバラバラの状態に留まっています(断片化と言います)。
断片であっても個々の情報がなくなる訳ではありません。そうしてストレス障害の症状が現れます。

断片化した情報がいつまでも断片のまま処理されずにいる、記憶にならない状態がPTSDです。
記憶にならない、ということは思い出せない、ということでもあります。記憶庫に保管されていない情報は引き出しようがないからです。
本当のトラウマ体験は、思い出すことができないのです。
大きな災害または事故や事件のような酷く辛い経験をすると、そこだけスポッと記憶が抜けていることも実は珍しくないのです。

体験が記憶になるとは、過去の出来事になる、と言うことです。
過ぎたこと、今はもう直接の影響を受けないことだからこそ、悲しみや痛みも、いずれ忘れることができます。
けれど、記憶になれなかった体験は、ずっと「今、ここ」のまま取り残されます。
PTSDの辛さは、苦痛を受けた体験を思い出すから湧いてくるのではありません。今、まさに起きた時と同じ苦痛を味わっているのです。

「忘れる」ことは、贈り物(ギフト)だと言われます。「忘れる」ことと引き換えに人の心は安定していられます。

ちょっと傷ついたり、驚いたりした時に、気軽に「トラウマになった」などと言ったりします。

本当のトラウマは思い出すことができません。
本当のトラウマは、ちょっと怖い存在です。

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NLPは胡散臭い!?

NLPの基本はコミュニケーションです。
ビジネスパーソンが用いているのも、信頼関係を築く良いコミュニケーションが、成功に欠かせないことを知っているからです。

信頼関係を築くコミュニケーションの基本に、「ミラーリング」と「マッチング」と呼ばれるスキルがあります。
人と話をしている時などに、相手の態度に自分を合わせる行動を指します。

ミラーリングは文字通り、鏡に映したように相手の動きに合わせます(左右が反転します)。
マッチングは、相手と同じ状態になるように動きます。

似ている人同士は、お互いに好意を持ちやすいと言われています。自分と同じような人と思ってもらえば、信頼してもらえるし、こちらも信頼できるのです。

コミュニケーションの際に示される態度は、思いのほかに相手に影響を与えています。
言葉や声色はうまく操ったとしても、態度にその人の気持ちが表れていることは珍しくありません。
言葉を選んで、声音を調節して、けれど腕組みをしていたら?逆の立場になってみて、そんな相手をすぐに信頼できるでしょうか?

NLPでは、相手のわずかな変化まで細やかに捉えることを重視しています。
ミラーリングもマッチングも基本は相手をしっかり観察することにあります。もちろん観察と言っても、じろじろ見たり、じっと見つめたりすることではありません。
相手を知りたいという姿勢が大切です。今、どう感じているのか、どんな心持でいるのか、を理解するための観察です。

不思議ですが、相手の小さな変化まで捉えられようになると、自然に動きが同調するようになります。
最後には呼吸のタイミングや心拍まで一緒になります。これが本当のマッチングです。

では、タイトルの「NLPは胡散臭い!?」は、どこから出て来たのでしょう。
そう話した方がいらしたのです。
何と言ったらいいのか、NLPアレルギーと言った面持ちで「(向かい合って話をしている間)相手が自分の動きを真似することが鼻についた」と話してくださいました。

これでは本末転倒、困りました。何度も言います。NLPは良いコミュニケーションのためのモデルです。
しっかりと相手を見ていれば、気持ちの変化に気づけたはずです。動きを合わせることにばかり気をとられてしまったのでしょうね。
不愉快に思われていることさえ気づけないようでは「何のためのNLPか?」と言われても仕方ありません。

相手への敬意は、NLPだけでなくコミュニケーションの基本中の基本です。どこのどなたか分かりませんが、忘れないでくださいね。

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NLPを知ろう!~その③NLPのP~

“NLPを知ろう!”最終回までお付き合いくださり、ありがとうございます。
その③は、NLPのN『神経』、NLPのL『言語』に続く、NLPのP『プログラミング』です。

『神経』は、五感(視覚、聴覚、体感覚、臭覚、味覚)を介して情報を脳神経システムに送る働き働きのことでした。
『言語』は、入力された情報を処理し形作られた、映像、音、感情、味、匂い、言葉、を指します。

『言語』が形成される過程で脳は、情報の省略や、歪曲一般化を行う、と言う大きな特徴があります。だからこそ、同じ一つの出来事に対して、私たちはそれぞれ独自の反応(感情や行動)を示すことになるのです。

省略、歪曲、一般化、の根拠となっているのは、あなたの中の記憶、つまり蓄積された過去の体験です。

このプロセスは、ちょうどコンピューターのプログラムのようなものです(スマホならアプリですね)。
私たちは、このプログラムに従って世界を体験します。
あなたが、どんな記憶を持っているかによってプログラムが決まり、同じ入力をしても一人一人異なった出力が得られることになります。
今まで意識していなかったとしても、とても重要なシステムであることはお分かりいただけたでしょうか?

思い出してください。この体験システムは自動操縦です。あなたの意識していないところで、倦まず弛まず運転し続けます。

NLPは、私たちが意識下で実行しているプログラムを知ることで、今度はそれを活用できるようにしてくれます。つまり、ハンドルを握らせてくれるのです。
これが、NLPのP『プログラミング』です。

その②でお伝えした、人の内部の無意識的なコミュニケーションに、意識的に関わること、と言っても同じです。
あなたのプログラムの特徴は、あなたの『言語』に表れます。
コミュニケーションを成功させる鍵は『言語』にある、ですね。
意識下にインパクトを与え、望む変化を起こすためには、どんなコミュニケーションが有効なのか?つまり、どのように『言語』を使えば良いのか?、がポイントとなります。

NLP(神経言語プログラミング)とは、無意識と呼ばれる意識下の心の『言語』の使い方、と言うことです。

たとえば、禁煙したいけれど続かなくて困っている人がいるとしましょう。
NLPのワークでは『言語』を変化させて、その人がタバコに対して持っているイメージを変えることができます。
魅力的なイメージを魅力のないものに変化させるのです。
そうすると自然に手が伸びなくなり、辛い我慢をしなくても良くなります。
人前で話すのが苦手と言う人に、そのような場面で自信や落ち着きと言ったポジティブな感情を引き出す『言語』の使い方もあります。
不安やパニックをもたらす『言語』を解消することや、意識下にある心の傷にアプローチすることなど、他にも様々な心の問題に対応できます。

理由がよくわからないのに、恐怖や怒りを感じることがありますか?
社会生活や人間関係に、難しさや苦手意識を感じる場面がありますか?
解決できない、忘れようとしても忘れられない、心の痛みを持ち続けていますか?
NLPは、そうした体験をもたらすあなたの意識下の心(無意識)にインパクトを与え、望む変化をもたらしてくれます。

何より、NLPはあなた自身と出会うためのツールです。

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NLPを知ろう!その①

NLPを知ろう!その②

NLPを知ろう!~その② NLPのL~

“NLPを知ろう!”をお読みくださり、ありがとうございます。
その②は、NLPのN『神経』に続く、NLPのL『言語』についてです。

NLPのN『神経』の回で、NLPの真髄は、『人はどのように世界を体験しているか』を知る、ことにあると書きました。
人の体験は、五感(視覚、聴覚、体感覚、臭覚、味覚)を介して、脳神経システムで処理されます。
起きた出来事から入力された大量の情報を、脳はつじつまが合うように整理し、一つのまとまりとなるよう統合し、意味のある物事として感覚へ反映します。
脳は体験を、自ら認識できる形に作り上げている訳です。

この体験を認識する時に用いるシステムを、NLPでは『言語』と呼んでいます。
ですから、NLPの『言語』とは、日本語や英語、中国語などの言葉だけではありません。

『言語』は、以下を含みます。

映像

感情

匂い
言葉(内部対話)

五感に、セルフ・トークと呼ばれる内部対話が加わっています。

次に、とても大切なポイントですが、これらの映像、音、感情、味、匂い、言葉が形作られる時に、脳神経システムにおいて、情報の省略や、歪曲(ゆがんだ解釈)、一般化がなされているとNLPでは考えます。

この作業は、意識的に行っているものではありません。

省略、歪曲、一般化が行われる時に根拠となっているのが、あなたの中に蓄えられた過去の出来事の記憶です。
一人一人の記憶に照らし合わせて、一人一人が同じ出来事に独自の解釈や意味づけを行い、それが沸き上がる感情や行動と言った反応の違いを生み出しています。

さて、通常の意味での言語(日本語や韓国語、スペイン語など)の役割は、コミュニケーションですね。
NLPの『言語』もまた、コミュニケーションを担っています。
私たちは物事を認識するため、無意識的に情報を翻訳し、自分自身と絶えずコミュニケーションしているのです。

このコミュニケーションシステムはどうなっているのか?、がNLPのP『プログラミング』になります。
NLPマスターまで、もう一息です!

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NLPを知ろう!その①

NLPを知ろう!~その① NLPのN~

NLPについて、よくご質問やご意見をいただきます。
「有名人も使ってるって聞くけれど?」「相手の気持ちを読めるって本当ですか?」「仕草を真似したりしてわざとらしくないですか?」「テクニックを試してみたけれどピンとこなくて」などなどなど。

「NLPって何のためのもの?」、「本当に役に立つの?」と言う疑問や、「分かったようで分からない」と言うところでしょうか。
そこで『NLPとはそもそも何なのか』についてお話ししようと思います。

NLPの真髄は、『人はどのように世界を体験しているか』を知る、ことにあります。

「どのように、、、って?」、「起きていることは起きていることでしょう?」と思いますよね。
実のところ、同じ出来事に対して、必ずしも皆が自分と同じように感じているとは限らない、と言う体験は大なり小なり誰でもあるものです。
「自分だったらもう立ち直れない!」と思うようなことが起きても、意外に気にせずケロッとしている友人を見て驚いたり、その逆に自分の辛さを全然分かってもらえず寂しい思いをしたり、と言った経験はありませんか?

勘のいい方はお気づきかもしれません。
体験には、その時そこで『起きていること(出来事)』と、その時そこでの『感情や行動(反応)』と言う二つの側面があります。

NLPは英語の“Neuro Linguistic Programming”の頭文字をとった呼び方です。
日本語では、“神経言語プログラミング”と訳され、『脳の取扱説明書』と言われることもあります。
N(Neuro)は『神経』を、L(Linguistic)は『言語』を、P(Programming)は『プログラミング』を指します。
『神経』『言語』『プログラミング』のそれぞれを、脳の働きを踏まえて、NLPではどう捉えているかを知ると、

① 体験とは何なのか
② NLPは体験にどうインパクトを与えるのか

が、分かるようになり、NLPとはどういうものか、何ができるのか、が分かるようになります。

お待たせしました。それでは、NLPのN『神経』についてご説明します。

私たちがものごとを体験するとき、まず起きている事柄を五感を介した情報として受け取ります。
五感は、以下の五つを指します。

視覚
聴覚
体感覚
臭覚
味覚

五つの感覚として知覚された情報は脳に送られ、脳神経システムによって整理され、一つにまとまりつじつまが合うように統合されます。そうして出来上がった世界を、私たちは出来事として認識します。この五感を介しての脳への情報の入力が『神経』の働きです。
同じ場に居合わせれば、受け取る情報はもちろん同じになるはずです。
では何が体験の違いを生むのでしょうか?

次は、その違いを生み出す『言語』のお話になります。

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リフレーミングってなんだろう?

「リフレーミング(reframing)」、聞いたことはありますか?
日本語にすると「脱枠組み化」と言って、更になんのことやら???、となりますね。

リ(re)は再び、フレーミング(framing)は枠組みを作る、を意味します。
あなたの心の枠組みを作り直しましょう、という意味の言葉です。

同じ出来事でも、人によって受け取り方(見方や感じ方)は異なります。
その受け取り方を決めている心のあり様を、ここでは枠組みと呼んでいます。

コップにジュースが半分残っている時に、

一人は、「まだ半分もある」
もう一人は、「もう半分しかない」

どちらが、よりハッピーに感じているでしょう?

「制限するということ」でも触れましたが、人は実にたくさんの信念を持っています。
私たちは信念に従って物事を判断し、評価します。それがあなたの心の枠組みです。

信念を持って生きるのは立派なことですね。
けれど、信念を「固定観念」と言い換えると、なんだか頭が固そうなイメージになります。
次に、「思い込み」と言い換えたらどうでしょうか?
人の話に耳を貸さない頑固者、とマイナスイメージの方が大きくなってしまいます。

誰でも、自分を生き辛くしてしまう信念をたくさん持っています。それを普通は「思い込み」と呼んでいます。

思い込みには、「ねばならない」とあなたの言動を制限するものから、男らしさ・女らしさのような人や社会のあり方を規定するもの、「私は話すのが苦手だ」や「上司は私を嫌っているに違いない」と自分や他人の性格や言動を断定するものなど、様々なものがあげられます。
特に完全思考や完璧主義からくる思い込みは、それが達成できなかった時に自分自身を否定するしかなく、辛い思いをすることが多くなります。

リフレーミングは、物事の受け取り方という心の枠組みを変えることです。
ネガティブな感情が湧いたり、気持ちが動揺したりする出来事にあったとしても、受け取り方は自分で選べる、ということなのです。

自分で選べるのですから、「わたし」を主語にして考えることから始めてみてはいかがでしょう?
先ほどの、「上司は私を嫌っている」→「私は、上司が私を嫌っていると信じている」
「あの人の言葉が私を傷つけた」→「私は、あの人の言葉に傷ついた」
どうですか?状況が違って見えてきませんか?

私の人生の主役は、いつだって私です。

そうして、自分を主人公にして出来事をポジティブに感じられる受け取り方を探していきます。
視点を変えたり、焦点をずらしたり、多角的にみたり、今までとは違った角度からアプローチすることが必要です。
例えば、足りない所ではなく有る所に目を向けてみます。
家族や友人なら何と言うだろうと想像してみたり、違う時や状況だったらどうなっていただろうと考えてみることもできます。

話すのが苦手だとしても、皆が皆、話し好きだったら混乱してしまいますよね。
「誰もが話上手である必要なんてない。聞く人だって大切。聞き上手になればいい」と思えたら、気持ちが楽になりませんか?

一つだけ注意したいポイントがあります。
リフレーミングは、無理矢理ポジティブになることではありません。
心が、スッと楽になる受け取り方を、積極的に探す作業です。

難しい、、、ですか?
難しく感じても大丈夫。
どんなことでも初めは上手く行かなくて当たり前ですよね。
繰り返しているうちに、「こんな見方もできるかな?」と自然に思いつくようになります。

その物事の受け取り方は、あなたをハッピーにしてくれていますか?

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制限するということ

カウンセリングを進める中で、思うように行かない、うまく行かない、と思っていた事柄が、実は自分で自分を制限していた結果だったと気づくことはよくあります。

「制限する」物事に限界や境界を設けること(デジタル大辞泉)、とあります。
ここまではいい、ここからはダメ、と言う境界線を決めることですね。

最近はメンタル・ブロックや心理ブロックという言葉も使われているようです。それぞれ、私たちの言動を左右する心理的な要素の一つを指します。
自分の行動にブレーキをかけたり、本当の気持ちが分からなくなったり、思いとは裏腹の態度をとらせたりします。

男の子が好きな女の子に悪態をつくレベルなら可愛いものですが、進学、キャリアや結婚など大人の社会生活も、毎日の小さな事柄から大きな決断まで、様々な場面で制限されています。
正しくは、制限していると言うべきでしょうか。

限界は自分で決めているのですから。

私たちは、とても幼いころから周りの人々に喜んでもらいたいと努力を続けています。
人のあり方としても、社会生活を営むうえでも、本当に大切な姿勢です。
けれど、ともすると自分よりも周囲の人々を優先し、自分の気持ちを抑え込んでしまうことがあります。
自分の考えや態度を表現する前に、相手の期待に応えようと、言動を自ら制限して我慢するのです。

我慢は、悪いことでも間違ったことでもありません。避けては通れない状況だってあるでしょう。
けれど、我慢を繰り返しているうちに、我慢していることさえ忘れてしまったとしたら、どうなるでしょうか?

気持ちを抑え込むことを「抑圧(よくあつ)」と言います。
抑圧そのものは、悪いことでも間違ったことでもありません。心を守ろうとする人間の自然な行動です。

人は生まれた時から我慢の連続です。(お母さんのお腹から出たくなくても、出なければいけなくなるんです)
小さな子供でさえ、すべてが自分の思い通りに行くことなど期待できないと知っています。
だからこそ気持ちを抑圧します。叶わない夢なら初めから見ない方がまし、となってしまうんですね。

抑圧は繰り返しているうちに習慣になります。
そうすると、自然に沸き上がってくる自分の思いを打ち消そうとしたり、それが出来ないと無視したりするようになります。
自分の望みや願いに鈍感になって、もっと進むと感情さえ感じられなくなってしまいます。

制限の多い人は、一般的には真面目ないい人と思われています。子供なら、手の掛からない、言うこと聞くいい子です。
その時その場で、周囲は自分にどんな期待をしているのかを汲み取り、それに応えようと振る舞います。
また、「~したら」「~の方がいいよ」と言ってくれる身近な人の考えを、優先したり鵜呑みにしたりします。
そうやって成長すると、知らず知らずのうちに限界を定めて「~すべき」「~してはならない」に従って生きるようになります。
そうしていれば、誰かが喜んでくれるし自分も安心、という風に感じられるからです。
結局のところ、制限とは、自分を良い人間、役に立つ存在にしたいと望んで身につけた考え方です。

もし、自分にも当てはまるところがあると感じているなら、まずは心の奥深くに目を向けてみてください。
何をどう制限するかは心の深い部分にある、コア・ビリーフ(中核信念)と呼ばれる信念の影響を受けています。

ポイントになるのは「ねばならない」という考えです。この「ねばならない思考」には、あなたのコア・ビリーフが隠れていることが多いのです。
そして、その信念が何を得ようとしているのかに思いを巡らせてみてください。
もともとは「自分のためになる」と信じていた考え方です。どんな考えであろうと、どんな厄介者であろうと、あなたのコア・ビリーフはあなたの敵ではありません。

あなたの気づいているあなたも、気づいていないあなたも、すべてあなたの一部であることをどうぞ忘れないでくださいね。

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退行催眠の話

ヒプノセラピーには「退行催眠」と呼ばれる技法があります。
年齢退行と言って、催眠を利用して年齢をさかのぼり幼い頃の記憶を再体験することで、現在の問題を解消します。

強迫症や不安症、パニック発作などと言った神経症とまでいかなくても、繰り返し日常生活にマイナスの影響を及ぼす言動は多くの人にみられるものです。

人前に立つなど特定の状況に強い不安があって、普段なら楽にできるはずのことが緊張のあまりできなくなってしまったり、決まったタイプの人や場所などが苦手であったり、自分の性格のせいだと自分を責めている方も多いかもしれません。
また、「~でなければならない」「~しなければならない」、と「ねばならない」から物事を決めていませんか?

このような無意識的な言動は、変えたいと思ってもなかなか変えることができず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実は、こうした悩みの根本には、幼い頃に心に傷を残した体験があることが多いのです。
ストレス障害をもたらすほどの強烈な体験である必要はありません。むしろ、そんな経験をしたことさえすっかり忘れてしまっている出来事であることがほとんどです。それでも、幼い子供の心には圧倒的な出来事と映るような体験です。

思い出すことは無くても、今日までネガティブな影響を受けてきました。
退行催眠では、その根本にある体験を当時に戻って思い出し、もう一度経験します。
そして、今度は大人の心で、その経験に新しい意味を見出します。

子供だったから仕方がなかったのかも知れません、思い違いだったのかも知れません、実は他の意図があったことに気づくのかも知れません。
良いも悪いもない、あなただけの気づきや学びを得ることが大切です。
それができると、幼い子供の心が癒され、感動的な体験をすることができます。

この作業は、ネガティブな体験を新たな視点で捉え直す「リフレーミング(枠組みを外すこと)」と呼ばれる作業と同じです。
リフレーミングは、心理セラピーで重要な役割を果たす概念です。ぜひ覚えておいてくださいね。

ヒプノセラピーは、普段ほとんど意識しない無意識に働きかけるセラピーです。
意識している、いないに関わらず、無意識もまた私たちの心の一部です。
その奥深くに傷があるなら、それはいつか表面に表れます。
問題が起きたように見えるかもしれません。けれど、そうと気づきさえすれば、傷を癒し痛みを手放すタイミングでもあるのです。

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ヒプノセラピー大誤解

スピリチュアルセラピーをご存知ですか?

今はメディアで取り上げられることも多く、書籍もたくさん出ていますね。
スピリチュアル(spiritual)と言う言葉は、もともと「霊的である」または「宗教的である」を意味します。
一般的には、今の科学では説明できない神秘的な現象や、心霊的な世界観を説明する言葉になっているようです。
セラピーとしては、心理セラピーに近いものからオカルト的なものまで幅広く存在しています。

さて、なぜ唐突にスピリチュアルセラピーの話題が出てきたのか?不思議に思われていますよね。
ヒプノセラピーをスピリチュアルセラピーの一つと漠然と信じている方が、少なからずいらっしゃるからです。

ヒプノセラピーは科学的に効果が認められているセラピーの一つです。

ヒプノ(催眠)には、実に様々な誤解がつきものです。
一番は“ヒプノセラピー=前世療法”の一人歩きかも知れません。

「前世療法」は、米国の精神科医、ブライアン・ワイス博士の著書によって一気に広がりました。

博士が治療のため、恐怖症の患者に幼い頃に戻る退行催眠を施したところ、患者は生まれるより以前のいわゆる前世にさかのぼって、そこでの様子を語り出し、その後の治療でもいくつかの異なる過去世について語った、という体験から綴られた内容です。
原題は“Many Lives, Many Masters”(直訳すれば「多くの人生、多くの師」)。
この本の翻訳が日本で出版された時のタイトルが「前世療法」です。
「前世療法」を読んでヒプノセラピーを知った方も、多かったのでしょう。

個人的な信念は別にして、前世とは科学的に検証できる対象ではありません。
いきおい、ヒプノセラピー=前世療法=スピリチュアル、との図式ができ上がっても、残念ながら無理のないことです。

退行催眠とは、幼少期に戻ってトラウマとなっている出来事を再体験するヒプノセラピーの一つの技法です。本来、セラピーとしての退行催眠に前世療法は含まれていませんでした。
ただ、確かに、退行催眠中に過去世と呼ぶべき体験を語る方は珍しくありません。

セラピーにおいて大切なことは、その体験が事実かどうかではなく、今その体験をしていることにどんな意味があるのかです。
それを見つけられるなら、幼少期を体験しても過去世を体験しても、どちらだって構わないのです。

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