HSPよくある誤解

慎重さと引っ込み思案と

何度も取り上げているHSPの第一人者、心理学者のアーロン博士は、問題の多い子供時代を過ごしたHSPは憂うつや不安、罪悪感に陥りやすくなると言っています。問題の多い、と言うほどでなくてもHSPの多くは誤解や偏見を潜り抜けて今日まで来ました。

HSPの敏感な反応とよく混同される特徴の一つに、内気な引っ込み思案(恥ずかしがり、気が小さい)があります。 新しい物事に対して消極的、と取られることがよくあります。
本当は行動を起こす前に慎重に検討しているだけなのですが、怖がって行動をためらっているように見られがちです。
確かに、結論を出すまで人より時間は必要ですが、実に多くの場合正しい選択をしています。

慎重さは内気さとイコールではありません。しかし、幼い頃から言われ続けると、自分で自分を内気な小心者と信じるようになることは以前にもお話しした通りです。

大人になっても、慎重な行動を周囲からネガティブに評価されると、HSP本人が誰よりも動揺します。口に出されなかったとしても、そう思われていれば気づいてしまうのがHSPです。例えば「チャレンジ精神が足りないなぁ」のように。
HSPは内側(自分の内部)からの刺激にも敏感ですから、動揺する自分自身にも反応し、ますます動揺します。結果、周りが考えるよりずっと強く緊張し、平静な行動が取れなくなってしまうこともままあります。

HSPの慎重な行動の対極にあるのが、危険を顧みず危地に飛び込む切り込み隊長です。
成功すれば英雄、失敗すれば無鉄砲、どちらにせよ強い印象を残します。誰だって憧れますよね?
さて、成功の確率はどのくらいでしょう?

多くの人は動きながら考え、正解を探します。
HSPはまず考え、一回で正解を出そうとします。

事前にリスクや可能性を検討する慎重派と、まず動いてみる行動派。
タイプが異なるだけなのに、なぜか社会の評価は英雄偏重のような気がしませんか?
そもそも、みんなで飛び込んだら全滅してしまうかも知れません。
同じように、みんなで慎重に考え込んでいたら、やはり全滅しそうです。

よく耳にするようになった言葉「ダイバーシティ(多様性)」は生き物の生存戦略の要とも言えるものです。様々に異なるタイプがいることで、全体として環境の変化や危機的な状況に対応しようとします。
人も本当に色々です。人間と言う枠で見たならば、それぞれ違う役割を持っているだけのことかも知れません。

いきなりキレるHSP⁉

意外に聞こえるかもしれませんが、HSPは突然人が変わったように感情的になることがあります。
一見、衝動的で理不尽な反応、いわゆるキレるため、癇癪持ちのように思われることもあります。もちろん本人も自分のこの傾向に気づいています。

そして、ここでも大きな誤解が生まれます。

HSPが時折見せる極端で衝動的な言動は、極度の神経の高ぶりから来るものです。理性などもちろん働かず考える余裕も全くありません。
普段は穏やかで文句を言うこともない人が、急に怒り出したり泣きそうになったりするため、周りは(最初は)ショックを受けます。
怒りのような強い感情に任せた衝動性とは異なる反応なのですが、違いは外からは見分けがつきません。

HSPの神経を高ぶらせる刺激は多岐にわたりますし、意識していないものもたくさんあります。本当のところはHSP本人だって分かっていないことがほとんどです。
実はお腹が空き過ぎていたという可能性だって、冗談ではなくあります。誰でも疲れて空腹であれば上機嫌ではいられません。より強く反応するのがHSPですから、ちょっと不機嫌ではすまなくなるのですね。

HSP自身は、もともと激しい言動を好まず穏やかな印象があります。
自分自身の衝動性に一番ショックを受けているのは他ならぬ当人です。ここで傷つくのも、敏感なHSPではの自然な流れとも言えます。後から振り返り、罪悪感を募らせ、自分を責めることになります。
その時の周囲の反応が否定的なものであるほど自責の思いは強くなり、いつまでも悩み続けます。HSPは自分の思いや想いにも敏感に反応するため、負の想念のスパイラルに陥りやすい面はあります。
そして「いつまでもくよくよしないで」と言われれば、そう出来ない自分をさらに責めることになりかねません。親切で言ってくれているのが分かるだけに、追い打ちをかけられてしまいます。

逆にフリーズしてしまうこともあります。頭が真っ白の状態です。何も考えられない点では同じですが、こちらは一切の情動を麻痺させ停止しています。

キレるのもフリーズするのも、頻繁に起こるようになると本人が気に病み、何とかしようと専門家を訪ねることもあります。
この時、逸脱した行動が目立つと、パーソナリティー障害や発達障害と誤解されるケースが出てきます。一部に重複する症状があるからなのですが、こうした障害は敏感な気質とは別の原因を持つものです。
トラウマを疑われることはよくあります。トラウマには違いないのですが、HSPを理解していないと背後に重大な体験が隠れているはずと考えがちです。HSPを知っていれば、PTSDなど心的外傷の原因となるレベルの出来事でなくても酷く傷つくことがあると理解できるはずなのですが。
HSPはまだ心理学、精神医学で広く認められた概念ではないため仕方のないことではあります。

ネガティブな話ばかりが続いてしまいました。ごめんなさい。

ここで触れた特徴は、HSPの誠実で良心的であったり、クリエイティブであったり、理解や洞察に優れたりする面の裏返しでもあります。
どちらもあなたの一面、セットであり、コインの表裏、切り離すことのできないものです。

大切なことを一つ。大人になったあなたはコインの表と裏を自分で選べます。

運任せにする必要なんてありません。
【HSPが楽に生きる“コツ”】でもお話ししたように、どんな性質も表れ方によって長所になり、短所になります。長所はどんどん伸ばして、短所とは上手につき合えたら素敵ですね。

まず、一にも二にも、とても敏感な自分自身を受け入れてあげてください。
【HSPが楽に生きる“コツ”】も参考にしてくださいね。

ご予約・お問い合わせはこちら
完全予約制です。まずはお気軽にお問い合わせください。

Pocket