HSPは生き辛い⁉

私たちは一人一人、唯一の個性を持った存在です。
HSPの『とても敏感な気質』が生まれつきのものだからと言って、それはその人の持つ特徴の一部にすぎません。
もちろん一括りにできるはずはありません。
けれど、HSPの多くに共通する特徴を知ることは、敏感な自分の特徴を知る手掛かりとなります。

たとえば、『HSP「とても敏感な人」』で触れた、HSPの提唱者アーロン博士は、こんな特徴をあげています。

・まぶしい光や、きつい臭い、大きな音にうろたえる
・短い時間内に、やるべきことが幾つもあると、普段通りにできない
・バイオレンスやホラー映画、TVの暴力シーンは見ないようにしている
・忙しい日が続くと、どこか静かで一人になれる場所へ逃げたくなる
・不愉快になったり、動揺したりする状況は、できるだけ避けたい
・デリケートで繊細な、香り、味、音楽や芸術作品がわかり、心惹かれる
・豊かで複雑な内面を持っていると思う

https://hsperson.com/より引用

これらに思い当たる節があるなら、あなたはHSPかも知れません。
そして、「そんな自分は心の弱い人間なのではないか?」と思っているなら、そう感じているのは決してあなただけではありません。
あなたと同じように、自分を否定的に捉えているHSPは、本当に大勢います。
些細なことを気にし過ぎるとか、気弱だとか、意気地なしとか、他の人たちと比べて劣った存在と感じているかも知れません。

【HSP「とても敏感な人」】でも触れましたが、社会だけでなく多くのHSP自身が敏感な自分を誤解しています。

HSPが、小さな物事に過剰に反応したり、見られていると緊張したり、初対面の人と気軽に話したりできないのは、気が小さいからでも、臆病だからでも、自意識過剰だからでもありません。
多くの場合、刺激に対して他人より敏感に反応しているだけなのです。
HSPであれば当たり前の反応をしているだけなのに、それを神経質だとか消極的だとか周囲から評価され続けると、本人も自分がおかしいのだと思い込むようになります。
子供のころに親御さんや先生から「小さなことを気にしないで」「しっかりしなさい」と言われる度に、「おかしな自分を克服しなければ」と思いを強くしたことでしょう。

HSPの情報システムは、入ってきた刺激をより深い部分まで処理すると考えれられています(現在、研究が進められているところです)。他の人たちは気にも留めない微細な事柄まで気づき反応します。
同じ特徴は他の多くの高等生物にも見つかっていることから、生物にとって重要な気質の一つであると推測されています。
注意深く、リスクやチャンスにいち早く気づき、注意を喚起する個体の存在は高等生物の生き残り戦略の賜物、価値ある特徴なのです。

残念なことですが、現代の社会ではHSPの価値が見え難くなっています。
社会が理想とするのは、タフで、責任感があり、仕事ができて、社交的な、快活で人をそらさぬ魅力のある、と言ったタイプでしょうか。
あなたもそんな風になりたい、ならなくては、と自分を叱咤激励してきませんでしたか?

HSPは、特に努力しなくとも、責任感が強く(強すぎるくらいです)有能です。昔のキャッチコピーにあった24時間働くタフさや、どんな時も前向きな明るさは苦手な方でしょう。

念のためお断りしておきますが、長時間労働を続けると、敏感であるなしに関係なく、体や心を壊し命さえ脅かす危険があります。眠い目をこすってぼんやりした頭で働き続けるより、しっかり休息をとってすっきりリフレッシュした頭と体で仕事をする方がずっと効率的です。良いアイデアも閃こうというものです。
心身が疲弊すると人は理性的な判断ができなくなります。異常事態であることを認識できなくなります。そうなる前に、どうか立ち止まってほしいと願わずにいられません。

本題に戻りましょう。HSPは、他の人が見落とすような情報までキャッチするため、人より多くを感じ取り、結果、多くを考えます。
物事を隅々まで把握し、分析し、検討して、最適な判断をすることに長けています。
この作業を、ほぼ無意識的に行っています。
ですから、物事の本質を労せずして見抜くことができます。
どうですか?なかなかのものでしょう?

刺激には外からの刺激だけでなく、中からの刺激もあります。
HSPは五感を通して入ってくる、光や、音、匂い、味、触感などの直接的な情報に加えて、その場の雰囲気や、そこにいる人の気分や感情も感じ取ります。
また、体の内側からの、空腹や、疲労、痛み、さらに空想や想念のような脳内イメージにも敏感に反応します。
そのため、場の雰囲気にのまれたり、他人の気分に左右されたり、くよくよと考えすぎたりし易い面があります。

刺激を受けることはストレスを受けることですから*、同じ環境なら、HSPはそうでない人たちよりずっと多くのストレスを受けています(*ストレスの原因は精神的なものだけでなく、怪我や病気、暑さ寒さなど身体に受ける刺激も含まれます)。
神経がたかぶり易く、緊張したり、不安になったり、疲れ易かったりするのは、自然なことです。

あなたの得意分野は、今の社会でもてはやされるところとは少し違っているかも知れません。
場を賑わすことや、疲れ知らずの熱血漢になることや、カリスマ的なリーダーになることは他の人に分があるかも知れません。
それはそれで必然的なことです。
なぜなら、あなたは一歩先を行く人なのですから。
HSPのあなたは、物事の本質をやすやすと見抜きます。意識していようといまいと先を見通し、何が重要であるかを本能的に知る人です。

豊かな感受性の持ち主であるHSPは、アーロン博士が言うように、芸術を理解し、微妙な味わいや香りを楽しむことができます。豊かで陰影に富む内面を持つことはHSPの優れた一面です。
クリエイティブな分野で活躍するには欠かせない、鋭敏な神経を持っています。
「鋭敏な神経の持ち主」と聞いたら、どんな印象でしょう?
シャープな切れ者?、斬新な発想の持ち主?、洞察力のある人?
プラスのイメージの方が大きくなりませんか?

あなたの心に浮かんだ、そのイメージをどうぞ大切にしてください。
あなたが、本来そうなることのできる姿です。
声の大きい目立つ誰かの期待に応える必要なんてないのです。
HSPのあなたの前には、もっと特別で豊かで深みのある人生の扉が開かれるのを待っています。

HSPが自信を無くし生き辛く感じているのは、生まれ持った敏感さを、弱さや欠点と思い込んだところから始まっています。他と比べて足りない部分ばかりに焦点を当てず、優れた面にも目を向け知っていきましょう。
そのままの自分を偏りなく見られたら、本来の価値を理解できるようになります。そこからあなたらしい生き方が始まります。

敏感な気質の長所と短所を知って、バランスを取りながら自分らしさを表現するにはコツがあります。
次回は、敏感さとうまく付き合うコツについてお話したいと思います。

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